演出助手の井上です。
集中稽古6日目は作・演出の冨坂さんには執筆に専念してもらうためスタジオ近くの喫茶店で俳優・スタッフ陣は自主稽古タイム。
夜にラスト部分を携えた冨坂さんがやってきて読み合わせでした。
『わが家の最終的解決』は初演が2016年で今回が約2年半ぶりの再演となりますが、もはや新作と言えるくらいに変わっております。
作者の冨坂さん曰く「3行のあらすじは変わらないけどセリフは7割くらい書き換え」。
登場人物が深堀され、全員がより深くストーリーにがっちり組み込まれつつ、シチュエーションコメディの強度を増すように書き換えが行われています。
ほとんどの俳優が初演にも出演しているものの、上記の通り台詞の大部分が書き換えられているうえに台詞の量は変わらず膨大なので俳優にかかる負荷はかなり高い。上演時間中は舞台あちこちをを走り回り、喋り倒す。
「緊張と弛緩」というキーワードが稽古場で頻出しているのですが、ただばたばたとしているだけでは観ていて集中できずによくわからず終わってしまいます。
集中すべきところ、肩の力を抜いてみてもらうところそのバランスとタイミングを誤ると観客席を置いて行ってしまう。
客席にいる人たちに心地よく理解できるテンポ感になっているか舞台上にいながらも俳優陣は物凄く敏感でした。演出の冨坂さんがいない自主稽古でも各俳優が本当に細かい間まで気配りをしています。
ホロコーストという人類史に残る悲劇を背景に、事実に敬意払いつつ、軽やかさを忘れずにシチュエーションコメディとして成り立たせる。
いまさらながら凄いことやろうとしているのだなと、物語終盤の稽古を見ながら思っています。
連日の稽古でかなり疲れもたまっていますが、座組のみんなの目はギラギラしております。是非是非、劇場で目撃してください!
本日のベストショット「演出と俳優」※俳優陣のギラギラ具合が伝わると嬉しい!